原画情報: |
1568年 114×168cm ウィーン美術史美術館 |
作者紹介: |
1525年、ネーデルランドに生まれのピーテル・ブリューゲル。「農民画家」と言われるブリューゲルだが、当初は版画の下絵を描き、1560年以降油絵に移った。ブリュッセル在住時代はその時代を描いた宗教画が多く、以降だんだんと宗教的要素は薄れ、農民を人道的に描いた。現在残されている作品の半数以上が、晩年に描かれた聖書や神話を主題にした宗教画である。 |
作品紹介: |
農家の納屋で開かれている結婚の宴が描かれています。
長いテーブルの上には塩漬けの肉らしき御馳走があり、ビールも振る舞われています。背後には、壁のような穀物の山に、収穫祝いの象徴である2本の麦の束が飾られています。そして緑の幕に紙の冠が吊るされています。これは、当時の結婚の風習だと言われています。その下には、ふっくらとした花嫁が頬を染めて座っています。バグパイプの楽士たちの音楽と美味しそうな匂いに釣られて納屋の入り口には村人たちが押しかけています。
ブリューゲルは、農民の真の姿を描いた初めての画家でもありました。今日の一枚にも当時の風習が正確に描かれています。しかし、この絵には肝心の花婿の姿が描かれていないのです。
|