原画情報: |
|
作者紹介: |
イギリス画家 Luke Fildes(3 October 1843 – 28 February 1927) |
作品紹介: |
英国の画家Sir Samuel Luke Fildesの1891年の作.重症で気息奄々とする幼い娘が椅子に横たわり,傍らには悲嘆にくれて食卓に突っ伏す母と呆然と立ちすくむ父がいて,窓からうっすらと明け方の光が差し始めているが室内はなお暗い.往診に訪れている初老の医師は厳しい表情で娘をみつめて体をかがめ,そこで夜を徹したようにみえる.この絵は画家自身の思い出を描いたものだそうで,二人いた子どもがともに肺炎になり,息子は既に落命し,娘もあわやというところに往診にかけつけた医師の姿を描いたものらしい.
十九世紀末の英国ではこの絵の複製が医師にたいそう人気を呼び,方々の病院の壁に飾られたという.実物はLondonの現Tate Britain(旧称Tate gallery)のラファエル前派の絵をたくさん掲げている部屋にあるが,案に相違して3m×2mくらいの非常に大きな絵で,画面は画集でみるより遥かに暗く,周囲にかかる他の世紀末絵画の華やいだ洗練とは好対照であった.
|
|